四柱推命を見てもらいに行くと、お金の話は欠かせません。
「財星がないから、お金がつきません」
「財星が多いから、お金持ちの命式ですね」
こんな言葉を聞くと、つい期待したり、心配したりしてしまいます。本当に、お金を稼ぐことは生まれたときに決まっているのでしょうか。
先に答えを言うと、命式が示すのは通帳の金額ではなく、お金と自分がどうつながっているかという構造です。その構造がどんな仕事、どんな金額として表れるかは、命式の字だけでは決まりません。
財星はお金ではなく、自分が扱うもの
第4講で見たように、財星は自分が剋す気、つまり自分の手に握って扱うものです。
正財は安定して入ってくる取り分、偏財は大きく動く取り分に近いものです。
財産がここに入るのは確かです。けれども財星は、お金そのものというより、何かを扱い、管理し、回していく力です。ですから財星があるからといってお金が自然にたまるわけではなく、ないからといってお金が自分を避けて通るわけでもありません。
古い書物が見たお金持ち:いくつあるかではなく、通じているか
『滴天髄』は、お金持ちと貧しい人をこんな言葉で分けています。
何知其人富,財氣通門戶。 (『滴天髄』)
その人が富んでいるとどうしてわかるのか。財の気が門を通って出入りしている。
何知其人貧,財神反不真。 (『滴天髄』)
その人が貧しいとどうしてわかるのか。財星がかえって真ではない。
古い書物が見た基準は、財星の数ではありませんでした。財星の気が詰まらずに自分とつながって流れているか、その財星が自分にとってうれしい気かを見たのです。
財星が多くても、自分が受け止めきれなければ、他人のお金が目の前を通り過ぎるだけです。昔の言葉でいう「富屋の貧人(富屋貧人)」、つまり金持ちの家に住む貧しい人です。
反対に、財星が一つだけでも自分とよくつながっていれば、暮らしはしっかりしてきます。古い書物も、はじめからお金の量より流れを見ていたわけです。
昔はなぜ、お金持ちは命式で決まると言ったのか
昔は、お金を稼ぐ道は多くありませんでした。土地を受け継ぐか、官職に就くか、商売をするか、その程度でした。
生まれた家がそのまま財産であり、身分が変わることも難しい時代でした。士・農・工・商の順(士農工商)では商売は低く見られ、財産は官職へ上がるための土台(財生官)として読まれました。
道が数えるほどしかなかったので、「財星が良ければお金持ちになる」という言葉は比較的よく当たりました。それだけ、命式で富が決まっているかのように言いやすい時代だったのです。
今はお金が出入りする門が増えた
『滴天髄』の言う門(門戶)は、今ではずっと多くなっています。
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地位で稼ぐ門:成果が役職と信頼につながる場(官星)
昔はいくつもなかった門が、今はいくつにも増えました。同じ財星でも、どの門を通って出入りするかによって、稼ぎ方も大きさも大きく変わります。
財星がなければお金を稼げないのか
財星がないと言われても、おびえることはありません。財星がない人は、お金を直接握って回すより、別の門で稼ぐことが多いのです。
生み出す力(食傷)がはっきりしていれば、実力や作品がお金になります。学んで積み上げる力(印星)がはっきりしていれば、資格や知識がお金になります。
ただし第4講で言ったように、財星がないとお金や暮らしを扱う管理力が弱くなりやすいものです。稼ぐことより、守ることのほうが課題になります。
収入と支出を記録し、数年後の計画を数字で書いておき、管理の得意な人と役割を分ければ、その空いたところを埋めることができます。
お金が入ってくる時期はあるが、受け取る準備が必要
大運やその年の運で、財星が入ってくる時期があります。お金にまつわる機会が増えやすい時期として読まれます。
けれども運は時期を教えてくれるだけで、代わりに稼いではくれません。同じ運が来ても、準備した人には実績として、待っていただけの人には名ばかりの機会として過ぎていきやすいのです。
ですから「いつお金が入ってくるのか」より、「そのとき自分は何を手にしているだろうか」を先に問うほうがよいでしょう。
自分のお金はどの門から入ってくるか:かんたんな目安
財星だけを見るのではなく、命式のなかで財星のそばに何があるかを一緒に見てください。
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食傷がはっきりしている(食傷生財):つくって売る構造です。自分がつくったものがお金になります。
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比劫がはっきりしている(比劫分財):一緒に稼ぐと大きくなる構造です。契約と持ち分は最初からはっきりさせておくのがよいでしょう。
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官星がはっきりしている(財生官):お金が地位に、地位がまたお金につながる構造です。
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財星は多いのに日干が弱い(財多身弱):大きなお金を「持つ」より「預かる」場で強くなります。一人で握るより、分けて任せるほうが安定します。
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財星がなく印星がはっきりしている:学んだものを売る構造です。資格、講義、専門知識がお金の門になります。
まとめ
お金を稼ぐ道
土地・官職・商売の数本
給料・事業・投資・コンテンツ・資格
財星が多い
お金持ちの命式
受け止める力があってこそ自分のもの
運で財星が来る
財産が入ってくる
機会の時期、準備した分だけ手にする
命式が示すもの
財産の大きさ
お金と自分のつながりの構造
命鏡はこう読みます
自分のお金が給料として入ってくるのか、事業で入ってくるのか、自分がつくったもので入ってくるのかは、命式の字だけでは決まりません。同じ気質を持っていた歴史上の人物が、その時代にどんな道を選んだのかを見て、今の道と直接見比べてみてください。